五千円の人、樋口一葉

ある日、買い物をしたとき、五千円札でお釣りをもらいました。 そのお札の表に一人の女性の肖像画を見ました。 「こんなに若くて、美しい女性が五千円札のモデルになっているのは何故か?」と不思議に思い、私は、インターネットで調べ、樋口一葉という作家であることを初めて知りました。 

 樋口一葉について、私が知ったことを簡単に述べると、彼女は、明治5年に東京で生まれ、24歳の若さで肺結核になり亡くなった日本の小説家の女性ということです。 彼女の短い生涯を振り返り、特に強く私の印象に残ったのは、以下の2点です。

 まず一つ目は、「一葉」いうペンネームの由来です。 インドの達磨大師が一枚の蓮の葉に乗って、インドから中国へ渡ったという伝説によるものだそうです。 彼女の本名は、樋口奈津といい、家族はもともと裕福だったそうですが、彼女が17歳のとき、父親が亡くなり貧困に陥ったそうです。 日本の達磨さんは手足がありません。 日本語の「お足が無い」は、昔、「お金が無い」ことを意味していたので、「お足が無いほどの貧乏」と皮肉って、ペンネームにしたのだそうです。 

 2点目は、11もの小説を一気に書き上げた「奇跡の14カ月」ということです。 明治27年12月の「大つごもり」から、29年2月の「うらむらさき」を発表するまでの14カ月です。 こんなに短い時間で、こんなに多くの作品を書き上げたのは、ほんとうに凄いことだと思います。 更に凄いのは、彼女は女流作家として、社会にいる底辺の貧しい人々、特にその中の女性たちに焦点を当て、そして、ほぼすべての作品が絶賛され、「にごりえ」や「十三夜」などは、今でも多くの人たちに愛読されているということです。 

 樋口一葉が五千円札に見られるようになったのは、2004年からです。 五千円札のモデルを樋口一葉にするという決定を下した財務省によると、「女性の社会進出に大きく貢献した」ということとが、その理由だったそうです。 私は、こういうことを調べて、納得しました。 

 私は今、日本語のレベルがまだ幼稚園児ぐらいですが、これからもっともっと勉強して、いつか樋口一葉の原作を、是非読んでみたいと心から思っています。